犬が飼い主を見るのは愛の証?愛犬とのコミュニケーション方法

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「愛犬が、特段何もないんだけどじっと見つめてくる!」
こんな経験、したことありませんか?
それ愛犬とコミュニケーションを取れている証拠かもしれません!

 

一方で、
「愛犬が何を伝えようとしてるのかわからない…」
「うまく愛犬とコミュニケーションが取れているのかわからない…」
という『コミュニケーション』に関する疑問・悩みを抱えている方も多いと思います。

 

そこで今回は、
・愛犬とコミュニケーションをとることによってどんな良いことがあるか

・愛犬とどんな風にしてコミュニケーションを取れば良いのか

の2つの疑問に関する記事を書いていきたいと思います!


コミュニケーションによって生まれる『オキシトシン

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ところで、皆さんは『オキシトシン』という言葉を聞いたことがありますか?
信頼ホルモン・絆ホルモン、幸せホルモン、愛情ホルモン、癒しホルモンとも呼ばれ、人間の母親が自分の子供を抱っこしたり、恋人同士が手をつないだりスキンシップすると分泌されるホルモンです。


この『オキシトシン』の持つ効果は絶大で、

「幸せな気分をもたらす」

「安心感を与える」

「ストレスを緩和する」

「不安な気持ちや恐怖心を解消する」

「学習意欲や記憶力を向上させる」

「免疫力を高める」

などなどと、こんなにも多くのいいこと尽くしの効果を持っているんです!!!

 

実はこのオキシトシンが、犬からも分泌されてるんです。
麻布大学の2015年の研究により、人と飼い犬が互いを見つめ合うとオキシトシンの濃度が上昇するという結果が発表されました。

 

ただし!!!
最も重要で知っておいて欲しいのは、この『オキシトシン』、
普段から飼い主と犬のコミュニケーションが良く取れているペアの間でしか、放出されないんです。

 

つまり、ただ犬を飼うだけで、たまにしか「見つめる」などのコミュニケーションを取らないペアは、『オキシトシン』は発生しないんです。

 

オキシトシン』の素晴らしい恩恵に預かる為にも、
愛犬とは、ただただ日々を過ごすのではなく、きちんと向き合い、積極的に『コミュニケーション』を取って行くことが大切なんですね!!!


どんな『コミュニケーション』をとるべき?

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ここまで読むと、
「『コミュニケーション』をとるのが大切なんだ!」

とわかると同時に、

「結局じゃあ、どういう『コミュニケーション』を取れば良いの?」
「そもそも何をすれば、『コミュニケーション』とったって言えるの?」
など、『コミュニケーション』に関する疑問が浮かんでくると思います。

 

ただ、そうは言ってもこの『コミュニケーション』。
必要以上に難しく考えることはありません。


大切なことは、単純に
「日々、トレーニングを行えば良い」
だけなんです。

 

日常のトレーニングである、
・スワレ
・フセ
・タッテ
・マテ
・ハウス
などなど…

 

これらを毎日練習して、犬に教えて、成功したら褒めて一緒に喜んでご褒美をあげる。

これだけで、日々の積み重ねで、愛犬との絆は深まっていくんです。
これこそが、愛犬とのコミュニケーションなんです!

 

なので、決して、
「ごはんの時間の前だけ、一瞬「お手・おかわり・マテ」をする」
などのようなことは止めましょう!!!


アナタの言葉によく耳を傾け、犬の成功を一緒に喜んで褒めてくれ、ご褒美をくれるという反復練習があってこそ、犬はアナタのことをもっと好きになり、期待し、キラキラとした目で見つめてくれるようになるでしょう。


犬を飼ったなら、たくさんコミュニケーションを取って、お互い見つめ合うだけでオキシトシンの濃度が上昇するような絆を深めましょう!オキシトシンの濃度の上昇は、犬にとっても人にとってもいいこと尽くしなのです。

 

 

余談ですが、猫と犬の比較実験をしたところ猫のオキシトシンの濃度の上昇は犬の1/5程度だそうです。つまり、犬は自分たちとは種の違う人間に対して5倍も愛情を注いでくれているということ!犬はとても義理堅く、愛情深い生き物なのです。

 


また同じ人間の家族内でも、一番犬の世話をして面倒を見ている人と、たいして面倒を見ていない人ではオキシトシンの上昇に差が出るそうです。

世話焼きで犬の面倒を見ている人の方が犬との見つめ合いで比例的にオキシトシンの濃度の上昇が見られるそうです。


一方で、犬から出るオキシトシンについては、同居家族に対して義理堅く、家族によって差がないのだそうです。
日々犬の世話を一手に担っている私からすると、これは少し寂しい気もしますけどね(笑)

 

 

終わりに

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いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、幸せホルモン『オキシトシン』も発生する、
「犬とコミュニケーションととる大切さ」や、
「そのコミュニケーションは、日常のトレーニングから生まれる」
ということがわかったと思います!

 


ぜひこのことを意識して、毎日のふれあいの中で、愛犬との絆をより深めて行ってください!!!


(余談ですが、人間はハグされるとオキシトシンが出ますが、犬はハグされるのが嫌いなので、見つめるだけにしてあげてください(笑))

 

また、今回の記事の内容は、JAPDT(日本ペットドッグトレーナーズ協会)という団体の第12回JAPDTカンファレンスで聴講した内容を噛み砕いてお話ししたものです。
「もっと犬のことを知りたい!!」
とご興味のある方は、ぜひそうしたペットイベント等にも参加してみてください!
知見がさらに深まると思います。

 

 

 

【栗林 純子】

空ドッグスクール

1972年生まれ。国立大学卒業後、大手金融サービス業の会社員を経てドッグトレーニングの世界に入る。家庭犬訓練所に入所し、実務経験を積む。ドッグスクールのインストラクターを経て、クリッカーレーニングを学ぶためにイギリスに短期留学。2004年に「空ドッグスクール」を立ち上げ独立。その後、犬の行動学を学び、米国CCPDT(Certification Council for Professional Dog Trainers)認定CPDT-KA国際ライセンスを取得。現在JAPDT(日本ペットドッグトレーナーズ協会)の事業企画委員を務める。空ドッグスクール代表兼ドッグトレーナー。

 

著書:犬から見える飼い主の姿